ソフトバンクPhoto:SOPA Images/gettyimages

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はNTT、ソフトバンク、KDDIの「通信」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

ソフトバンクが唯一の
四半期増収率2桁

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の通信業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・NTT
 増収率:4.6%(四半期の営業収益2兆8926億円)
・ソフトバンク
 増収率:15.7%(四半期の売上高1兆3566億円)
・KDDI
 増収率:4.6%(四半期の売上高1兆3003億円)

 通信業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスとなった。ソフトバンクは唯一、四半期増収率で2桁を記録している。

 通信3社といえば、総務省による携帯電話の通信料金の値下げ要請を受け、21年3月に新料金プランを相次いで導入した。この値下げは通信料収入の減収要因になり得るが、そんな中でソフトバンクが四半期1割超の増収となった要因は何だったのか。次ページ以降で詳しく見ていこう。