投資を始めるタイミングを失わない

 投資を始めようと考えても、手続きが面倒かもしれない、といったささいなことで先延ばしにする人は多い。投資に対する心理的な抵抗感も働いて、一層先延ばししたくなるということもあり得るだろう。

 そうした事態を避けるためには、早い段階で少額の投資を始めてしまうことが一番だ。投資の口座を開設して投資を始めておけば、本格的に投資をしようと考えたときに手続きが面倒かもしれないという懸念は生じないし、投資に対する心理的な抵抗感も薄れているだろう。

 可能であれば、毎月少額で良いので、積み立て投資をするとさらにいいだろう。積み立て投資によって自然と投資の残高が増えていけば、退職金を受け取って一気に多額の投資をするよりはるかに良い。

 退職日がたまたま株価の高い日であった場合に悲惨な目に遭う可能性があるため、退職金で多額の投資をするのは危険である。積み立て投資をしておけばそうしたリスクが避けられるので、早くから積み立て投資をしておく意味は大きいのである。

 なお、具体的には株式ではなく株式投資信託を積み立てるのが便利だ。投信は銀行で買えるし、さまざまなメリットがあるので、本稿で「株」とあったら株式投信のことだと考えていただきたい。株式投信の積み立て投資については拙稿を併せてご参照いただければ幸いである。