元手100万円から資産2億円を築いた現役サラリーマン、弐億貯男氏の投資手法である「割安成長株」投資。その投資手法から導き出される銘柄を見つけるために、特集『資産1億円の作り方』(全19回)の#7では、ダイヤモンド編集部が銘柄のスクリーニングを試みた。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
弐億貯男氏が資産2億円を築いた
割安成長株投資を再現
元手100万円から資産2億円を築いた現役サラリーマン、弐億貯男氏。その投資手法といえば、割安成長株投資だ。割安かつこの先成長しそうな企業の株を中長期で保有することで、資産を築くという投資法だ。
では、そうした銘柄をどうやって選べばいいのか。そこで、弐億氏が著書『割安成長株で2億円』で提唱する「割安成長株を見つけるための五つのポイント」を基に、ダイヤモンド編集部が銘柄のスクリーニングを試みた。
その銘柄を見る前に、まずは五つのポイントを確認しておこう。
(1) 成長性:直近2~3年は「増収増益」か
(2) 割安性:PER(株価収益率)が15倍以下か(10倍に近い方が望ましい)
(3) 安定性:配当性向30%以上を公約しているか
(4) 利回り:配当利回りが3%以上か
(5) ビジネスモデル:ストック型ビジネスを展開しているか
成長性については、単年度の業績だけでなく、直近2~3年が増収増益かどうかを確認すること。目にした情報をうのみにせず、実際にIR(投資家向け情報提供)資料などで確認しておこう。割安性については、PERの一般的な平均値とされる15倍以下であることが前提だが、「純利益が安定的に増えている銘柄を探すようにしたい」と弐億氏は言う。
次に、配当絡みで2点。まず配当性向だが、こちらは、純利益から配当金をどのくらい支払ったかを示したもので、弐億氏によれば「配当性向30%以上を公約している会社は、投資した後、業績が右肩上がりで良い結果につながるケースが多かった」という。
配当利回りについては、購入した株価に対して1年間でどれだけ配当を受け取ることができるかを示したもの。弐億氏は、株価の値上がり益を狙って投資しているため、配当金や配当利回りを期待しているわけではない。だが、配当に注目するのは「高い配当金や配当利回りは株価の下支えになるためだ」と弐億氏は言う。
最後が、ビジネスモデル。飲食業や小売業に代表されるフロー型ビジネスは景気変動の波を受けやすいが、携帯電話や電気、ガスなどのインフラビジネスに代表されるストック型ビジネスは継続的な収入を得られやすい。ただし、これらは大型株がほとんどなので、割安成長株投資では月単位や年間契約でサービスを提供しているため安定的に継続収入を見込める会社がターゲットとなる。
具体的には、ホームセキュリティーや不動産管理、マンション向けの光ファイバー、中古車ローンなどの会社だ。
では、弐億氏の手法に倣い、ダイヤモンド編集部が割安成長株をスクリーニングしてみた。結果は次ページの通りだ。