オンラインと対面集合研修が併存していく時代に…
言うまでもないが、新型コロナウイルス感染症の拡大が、さまざまな企業のそれぞれの研修施設に与えている影響は大きい。人が多数集まり、対面することの厳しさが続いている昨今、伊藤研修センターの研修室は平常時に比べてどれくらいの稼働状況なのか。「HRオンライン」が訪れた日は平日木曜日の午後だったが、いくつかの研修カリキュラムが並行で開催されていた。
高木 施設利用の多寡は、緊急事態宣言が出ているかいないかといった感染状況の程度によりますが…企業としての方針もあり、研修室の10分の1ほどしか使われなくなった印象ですね。宿泊型の研修カリキュラムは格段に減りました。来館し、研修室を利用された場合でも、人との接触時間をなるべく短くするために、皆さんが急いで帰られます。今後は、ブレンデッドラーニング(blended learning)と言われる、オンラインとリアル併用のかたちで研修が行われる時代になっていくのでしょう。遠距離の方はオンラインを選ぶとか、1日目はオンラインで2日目は対面集合の研修カリキュラムになるとか…ウイルス感染によるこうした経験は誰もが歴史上初めてのものなので、研修スタイルをいまはどの企業も模索している様子ですね。
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伊藤研修センターの施設内では感染予防対策が万全に行われ、高木センター長はじめ、施設スタッフの皆さんの「細心の注意」がうかがい知れる。
高木 館内のあらゆる場所での手指のこまめな消毒はもちろんのこと、来館者の事前の体調確認を含め、世間で言われている感染対策はすべて行っています。それと、私たちの方で研修の予約内容を管理していますので、たとえば、あるグループ企業から、「100名の研修をひとつの部屋で行いたい」という要望が来たときなどは、「3室を用意しますので、もっと広々としたレイアウトでの開催はいかがですか?」といった提案を持ちかけます。当日に来館されて、「こんなに人が密になっては困る」といったことがないように、各企業の担当者と事前に詳細な打ち合わせをします。現在は、たとえば、100名用の研修室を50名までとするなど、利用可能人数を減らして予約を受け付けています。
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