腹をくくって素直に認める道もありますが、そうしたら後輩は「へえ、意外な一面があるんですね」と、ニヤニヤしながら冷やかしてくるのは確実。弱みを握られることにもなります。ここは、影武者を立ててしまいましょう。

「ああ、それね。うーん、昔からよく知っている人のアカウントらしいんだけど、恥ずかしいこと書いてるよね。ナニ考えてるんだろうね」

 そう言って、相手を戸惑わせた上で、「その人、いつだったか『俺はアカウントがバレると体が溶けてしまうんだ』って言ってたっけな。だから、誰にも言わないであげて」

 と、釘を刺します。黙っていてくれる保証はありませんが、「あ、この話題には触れてほしくないんだな」と察してくれるはず。願わくば、安易に指摘した無神経さを反省してほしいところですが、それは難しいかも。

 バレてしまった以上、もう伸び伸びとは楽しめません。逆の立場の場合、見て見ぬフリをしてあげるのが大人のやさしさです。

言い訳の極意

 見え見えのウソによって
 バツの悪さをごまかしつつ
 きっちり釘を刺しておく――
 それもまた言い訳なり


講師
石原 壮一郎さん

1963年三重県生まれ。日本の大人シーンを牽引するコラムニスト。最新刊『【超実用】好感度UPの言い方・伝え方』が好評発売中!

石原 壮一郎さん

[MEN’S EX 2021年10月号DIGITAL Editionの記事を再構成]

内緒のSNSアカウントが会社の後輩にバレたときの「起死回生策」とは!?