ポーランドへの入国を目指して数千人もの難民や移民がベラルーシの森で立ち往生している問題を受けて、欧州連合(EU)は国境沿いに壁や柵を設けるための費用を出し、難民の流入を食い止める姿勢を強めている。シリア内戦の激化で100万人以上が欧州に押し寄せた2015年の難民危機以前は、EUは難民受け入れを人道的に必要な対応とみなしてきた。ところが現在は、一般市民の反発や反移民を掲げる政治勢力の台頭により、こうした姿勢が変わりつつある。長年の間、貧困国や紛争国から脱出する人々が目指す場所となってきた欧州では現在、移民を強制的に追い返すといった、これまでは批判を招きやすかった措置に対する許容度が高まっている。ベラルーシと国境を接するポーランドなど東欧のEU加盟国がこうした強硬措置に動いている。