「事前に考える」のは、そんなに難しくない

 でも、「事前に考える(備える)」という行為そのものは、日常の中で当たり前にしていることだと思います。スマホは充電がゼロになる前に、就寝中や外出前に必ずといっていいほど充電しますし、車だって、ガソリンメーターがゼロになる前にガソリン補給をしますよね。それが手間だと思わないのは、充電がゼロになると不便だから、とか、身動きがとれなくなるからなどと実感しているからで、「困った」状況に陥らないように自然と備えているからだと思います。できなかったときでも「忙しいから」という理由にはならず、自分のルーティーンの中にうまく取り入れていますよね。

 そう考えると、食事の準備を手間と感じるかどうかは自分の認識次第ともいえます。3食規則正しく食べましょう、とは言わないまでも、「忙しくて食べられなかった」が当たり前にならないように、仕事中の自分への栄養補給を1日のルーティーンの中に組み込めるといいな、と思います。よくある「仕事をやりきってから食べる」は、目的地についてからガソリンを補充しようとするようなもの。そのとき、近くにガソリンスタンドがないかもしれないし、そこまで行き着くガソリンがないこともあります。ガス欠でも仕事ができるなら、充電したら、もっと精神的にもゆとりを持って仕事に取り組めるかもしれません。そして、お店が閉まっていて選択肢が狭まったり、自炊する気力や健康的な選択をするだけの思考力がなかったり……という状況からも抜け出せるかもしれません。