英グラスゴーで開かれていた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、ほとんど成果のないまま13日に閉幕した。そうならない可能性はあったのだろうか。厳しいエネルギー政策が取られない限り世界は近く崩壊すると警告してきた会議参加者らは、政治的・経済的現実とかけ離れた存在だった。気候変動対策担当者らは、気候変動による大惨事の阻止に失敗したのかどうかについて意見を一致させることができず、化石燃料の使用禁止に向けた世界の新たな道筋を定めることもできなかった。会議参加諸国が温室効果ガスの排出削減に向けて、より明確な約束を打ち出せなかったことや、最終局面でのインドと中国の介入によって石炭使用の段階的廃止でさえ合意できなかったことを受け、終末論者らは落胆している。会議参加諸国は、欧州諸国でさえもエネルギー危機、エネルギー価格の上昇を受けて、石炭火力発電への依存度を再び高めざるを得ない状況になっていることに留意したのかもしれない。