金融市場は「心配の壁」を登っている。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の再任が決まったことで、重大な不確実性は1つ取り除かれた。ジョー・バイデン大統領がラエル・ブレイナード理事を次期議長に指名することも考えられた。代わりに副議長に指名されたブレイナード氏が正議長に指名されていれば、上院での承認プロセスは難航する可能性があっただろう。だが、パウエル氏の続投でその懸念は消えた。つまり、今後の金融政策運営でこれまでの異例の緩和スタンスが継続することになる。リスク後退への市場の反応は予測しやすい。株式などリスク資産は値上がりし、債券や金相場など安全とされる資産は値下がりする。そこまで大幅でないとしても、その通りの展開となった。価格がどう反応するかは、資産を定義する1つの方法になる。これに基づけば、暗号資産(仮想通貨)ビットコインはリスク資産だ。ビットコイン価格は急伸する一方、金相場は下落した。