中国の景気刺激策はここ10年ほど、住宅や鉄鋼業界を主役に据え、グリーンなインフラは脇役になる傾向があった。今回は、主役としてグリーンに目を向けているようだ。中国人民銀行(中央銀行)は11月8日、新たな「二酸化炭素(CO2)排出削減融資制度」を発表した。この制度は、銀行がクリーン電力、エネルギー効率化、その他の類似プロジェクトに再融資するための低コストの資金を提供するものだ。その規模はまだ明らかではないものの、今後数年で1兆元(約18兆円)に達する可能性があるとHSBCはみている。銀行にはこの制度を利用する強い動機がある。銀行間の7日物レポ金利が約2.1%、人民銀の主要な貸出制度の1年物金利が約3%であるのに対し、1.75%という極めて低い金利だからだ。これとは別に、国営メディアは先週、クリーンコール(環境に優しい石炭技術)への2000億元の追加再融資プログラムを発表した。