男性ばかりの「働く女性応援会議」

 ハンドブックの中には、「妊娠や出産等を理由とした解雇は違法です」「(妊婦)健診は勤務時間内に行ってもいいんです」など、労働者の権利に関する説明も多く、有意義な部分はある。

「妊娠・出産のことを考えてみませんか?〜男女ともに妊娠・出産には適した年齢があります〜」などの見出しを見るに、やはり産んだ上で働いてほしいという意図はありありと感じるが、必要な情報は詰め込まれている。知恵を絞って作成されたはずだ。

 一方で、事細かに書き込まれたハンドブックを見ながら、現代の世の中で女性が子育てしながら働くというのは、これほど準備・工夫・気合が求められるものなのかと思う。よほど優秀な人か、よほどの楽天家でない限り、この勝負には挑めないのではないかと思わされる。

 時間のある方は、ネット上で見ることのできる「働く女性応援よくばりハンドブック(改訂版)」を開いてみてほしい。

【参考】「働く女性応援よくばりハンドブック(改訂版)」

 最初の見開き2ページに載っている写真の全てが男性である。「働き方改革推進・働く女性応援会議ひろしま」の「H28.10.26の発足式の様子」に写る6名全員が男性。次のページで応援メッセージを寄せている3名も、全員男性である。その合間に、女性はかわいらしいイラストで描かれている。

 「働き方改革推進・働く女性応援会議ひろしま」の男性たちにはどうか、もしも「イクメン応援ハンドブック」の冒頭が女性ばかりだったらどう感じるかを一度考えてみてほしい。