東芝Photo:SOPA Images/gettyImages

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、日立製作所や東芝など産業用装置・システム/業務用機器業界の5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

日立・東芝は前年同期比増収
三菱重工業は減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の産業用装置・システム/業務用機器業界5社。対象期間は21年7~9月の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ダイキン工業
 増収率:17.3%(四半期の売上高7599億円)
・日立製作所
 増収率:13.8%(四半期の売上収益2兆4652億円)
・東芝
 増収率:6.1%(四半期の売上高8185億円)
・三菱電機
 増収率:2.7%(四半期の売上高1兆719億円)
・三菱重工業
 増収率:マイナス7.8%(四半期の売上収益8120億円)

※ダイキン工業は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 産業用装置・システム/業務用機器業界の5社は4社が前年同期比増収、三菱重工業が減収となった。

 日立製作所や東芝の増収をけん引した事業は何だったのか。また三菱重工業が唯一、減収に陥った要因は何か。次ページ以降では、データを踏まえて詳しく解説する。