ベスト経済書・ビジネス書大賞2021#2Photo by Toshiaki Usami

経済学者や経営学者、エコノミスト128人が選んだ経済、経営に関わる良書をランキング形式でお届けする特集『ベスト経済書・ビジネス書大賞2021』(全8回)。第2回は1位の『監視資本主義』の著者であるショシャナ・ズボフ・米ハーバード・ビジネススクール名誉教授に、監視資本主義の下、われわれのプライバシーが侵害されている現状と対抗策について語ってもらった。(構成/ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋、聞き手/瀧口範子)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など、情報は雑誌掲載時のもの。

ビッグテック企業がユーザーから抽出する
データが経済制度を形成している

ショシャナ・ズボフショシャナ・ズボフ/米ハーバード・ビジネススクール名誉教授。米シカゴ大学にて心理学の学位を、ハーバード大学にて社会心理学の博士号を取得。1981年よりハーバード・ビジネススクールに参画、同スクールで終身在職権を得た最初の女性の一人。監視資本主義という言葉の生みの親である。
(c) Michael D. Wilson

『監視資本主義 人類の未来を賭けた闘い』(原題:The Age of Surveillance Capitalism: The Fight for a Human Future at the New Frontier of Power)は、ビッグテック企業がユーザーから抽出するデータが、今や経済制度を成していることを解き明かそうと書いたものだ。

 もはや個々の企業の営みではなく、大きな傘のように世界を覆うより高度な体制として、われわれの生活の隅々までを監視しているのだ。