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経済学者や経営学者、エコノミストの128人が選んだ経済、経営に関わる良書をランキング形式でお届けする特集『ベスト経済書・ビジネス書大賞2021』(全8回)。第3回は1位の『監視資本主義』を推薦した諸富徹・京都大学大学院経済学研究科教授に、その理由や本書が解き明かしたものについて語ってもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
根源的な原理を解明し尽くしたいという
著者の飽くなき探究心

本書が何よりも読者を圧倒するのは、この社会を規定する根源的な原理を解明し尽くしたいという著者の飽くなき探究心故ではないだろうか。
その野心は、タイトルにも十分示されている。マルクスの『資本論』(1867~1894)が19世紀の工業化時代における資本蓄積メカニズムの解明を目指したのに対し、本書は21世紀のデジタル化時代における資本蓄積メカニズムの解明にチャレンジし、少なくとも一定の成功を収めたといえよう。