平均年収400万円未満の
企業は9社

 今回のランキングで、平均年収が400万円未満の企業は9社となった。

 年収の低さで1位は秋川牧園で340万円だった。同社は昨年のランキングでも1位(331.4万円)。年収の低さもさることながら、平均年齢は44.52歳と高い。

 同社は山口県山口市に本社を置き、無農薬・無投薬の食肉、鶏卵、牛乳などの生産卸売事業や直販事業を行っている。21年3月期はコロナ禍に伴う内食需要の増加で、生活協同組合や宅配会社を主な販売先とする生産卸売事業と、消費者に宅急便で届ける直販事業が好調。売上高は64億1700万円、最終利益は1億6900万円と増収増益を確保した。

 2位は野菜苗の生産販売などを行う愛媛県宇和島市のベルグアースで367.1万円。1位と2位は共に水産・農林業の企業となった。

 ベルグアースは19年10月期、20年10月期と2期連続で最終赤字が続いたが、21年10月期は生産体制や生産工程の見直しで製造コストの圧縮を図ることなどにより、1億2200万円の最終利益を確保した。

 3位は前回と同様、フェライトを主力とする電子部品メーカーのトミタ電機(鳥取県鳥取市)で、367.7万円。同社の平均年齢は48.2歳と、上位100社で最も高い。

 国内外における競争が厳しくなる中、さらに新型コロナによりサプライチェーンの停滞や工場稼働の停止により、車載関連や産業機器関連の需要が大幅に減少。2021年1月期は3期連続となる最終赤字となった。

 4位はセンサー大手の日本セラミック(鳥取県鳥取市)で369万円。前年の406.2万円から大きく下げた。

 5位はブックオフなどのリユース事業とモスバーガーなどの飲食事業のフランチャイズチェーンなどを行うありがとうサービス(愛媛県今治市)で378.4万円となった。

 6位は求人情報や生活関連情報サービスなどを行うKG情報で388.3万円。

 7位は鋳物製造の大和重工で391.1万円。米中貿易摩擦の長期化や新型コロナの影響で産業機械関連の受注が減少。住宅機器関連では、新設住宅着工戸数が減少する中、一般住宅向けの鋳物ホーロー浴槽の販売が低迷した。こうしたことなどから、20年12月期は3億6000万円の最終赤字に転落。21年12月期も1億7000万円の最終赤字の見込みだ。

 8位は中古トラックの買い取り販売や運送事業などを行うTRUCK-ONEで392.3万円。

 9位はコンビニエンスストアのポプラで396.1万円。

 18年2月期以降、21年2月期まで4期連続の最終赤字。20年9月には、全体の3分の1弱となる140店舗を、資本業務提携するローソンに売却する方針を発表。また、21年2月には、1976年の創業以来初となる希望退職者を募集するなど、構造改革に取り組んでいる。だが、22年2月期も7億3800万円の最終赤字見込みで、厳しい状況が続いている。

 10位は印刷業のセキで405.5万円。

 ランキング上位10社を見ると、水産・農林、電気機器、小売がそれぞれ2社で並ぶ。だが、平均年収450万円未満の30社を見ると、小売が8社で最多。その他製品が6社、電気機器が3社、水産・農林と卸売が2社と続く結果となった。

 小売では5位のありがとうサービス、9位のポプラの他、天満屋ストア(11位、410.4万円)、青山商事(22位、438.9万円)、大黒天物産(23位、439.9万円)、ジュンテンドー(24位、442.2万円)が上位となった。

 また、30社を県別で見ると、広島県が8社と最も多く、続いて、岡山県と山口県が5社、愛媛県が4社、香川県が3社となった。

(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)