イエス・キリストを筆頭に、アルベルト・アインシュタイン、カール・マルクス、ジークムント・フロイト、アルフレッド・アドラー、ピーター・ドラッカーなど、私たちが名前を聞いたことのある歴史的偉人がユダヤ人にはたくさんいて、これもごくごく一例です。

 ノーベル賞受賞者にもユダヤ人が多く、ウィキペディアによれば、ノーベル賞歴代受賞者の少なくとも20%はユダヤ人であるということです。

 世界人口のわずか0.2%しかいないユダヤ人が、ノーベル賞受賞者の5人に1人を占めている。これは非常に興味深い事実です。

ユダヤ人が「教育のプロ」となった背景

 なぜ、これほどまでにユダヤ人に優秀な人が多いのでしょうか?

 それは、ユダヤ人が「教育のプロ」だからだと私は断言できます。その背景は、ユダヤ人の歴史から紐解くことができます。

 ユダヤ人は、5000年も前から歴史にその痕跡が残っており、世界的にも最古の民族とされていますが、そのユダヤの長い歴史のどのページを見ても必ず出てくるのが「迫害」というキーワード。ユダヤ人はあらゆる時代の中で、絶えず時の権力者によって迫害を受け続けてきた民族なのです。

 この長い迫害の歴史の中で、ユダヤ人はこんな格言を残し、それを親から子、子から孫へと伝えていきました。

目に見える財産はいとも簡単に奪われる。
ただ私たちの頭の中にある知恵だけは、何人たりとも奪うことはできないであろう。

 形ある財産は奪われてしまう可能性がありますが、頭の中にある知恵を奪うことは誰にもできません。すべてを失い、国外追放されてしまった後でも、頭の中に知恵があれば立ち直っていくことができます。だからこそユダヤ人は、財産よりも頭に投資すること、つまり自分や自分の子供への教育を重視してきたのです。