「あなたの人生が終わった時に、何人があなたの死を惜しんで、あなたのお葬式に参列してくれたか。何人があなたの死を惜しんで涙を流してくれたか。

 これが、二つ目の通信簿の点数になる。

 そしてこの点数は、収入や社会的地位に比例しない。

 つまり、お金持ちになったから、出世したから点数が上がるわけではない。

 じゃあ、どうやったら点数を上げられるのか。

 それには、与えること、貢献すること。

 人に何かを与え、人に対して貢献することでしか、点数を上げることはできない」

 これがユダヤ独特の考え方である「愛と貢献の精神」です。

 この「愛と貢献の精神」、そして「葬式ベース」の考え方を、物心がついたくらいの子供に徹底的に叩き込んでいきます。

ユダヤ式子育てでは「もう一つの学校」に通わせる

 幼少期に「愛と貢献の精神」と「葬式ベース」を叩き込まれた子供たちが、やがて小学校に入っていきます。

 ユダヤ人はどんな小学校に入るのか、興味がありませんか?

 優秀でお金持ちが多そうだから、学費の高い私立学校や、ユダヤ人だけが入るような特別な学校に行って、独特の教育を受けるのではないか、と思う方もいるかもしれません。

 しかしそれは間違いです。

 ほとんどが普通の学校に通い、普通の子と同じような学校教育を受け、そして家に帰ってくる。ここまでは他の家庭と一緒で、私たち日本人とも一緒です。

 他の家庭と異なる点は、学校が終わって自宅に帰ってきてから自宅でもう1回、学校が始まるのです。

 ユダヤ人独特の「アフタースクール(家庭内教育)」という教育システム。

 アフタースクールの大きな特徴は、1人の子供に対して1人の教育係がつくことで、「マンツーマン」が絶対条件です。これは学習習得度を究極にまで高めるため。多くの場合は父親か母親が教育係になり、マンツーマンでさまざまなことを子供に教えていきます。