本書の要点

(1)真の集中とは、我慢も無理もせず自然に集中している状態のことをいう。そのためには、集中するべき物事に「前のめり」になる必要がある。
(2)集中するためには、まず前のめりになる対象を1つに決めること。その上で、数字を用いて目標設定することが効果的だ。
(3)前のめりの姿勢で集中し続けるには、とにかくアウトプットをしていくことである。アウトプットを振り返れば、自分が本当に集中できていたかどうかをチェックすることも可能だ。

要約本文

◆集中するために必要なのは「前のめり」
◇頑張らない集中=「前のめり」な集中

 真の集中とは、「頑張らない集中」のことをいう。我慢も無理もせず、自然に集中している状態のことだ。

 好きなことを実践している時の、自分の状態を想像してみるとよいだろう。なんの無理も我慢もせず、「頑張らずに」集中しているはずである。だから集中するためには、まず「頑張ろう」という気持ちを捨てるべきだ。

 こういうと多くの人は、「好きになれなきゃ集中できない」と勘違いするのではないだろうか。それは誤解だ。好きなことでなくても集中できる方法がある。

 それは、「前のめり」になることだ。「前のめり」とは、自然に能動的になっている状態のこと。東大生が勉強に集中できるのは、この「前のめり」の姿勢が優れているからだ。教授の話を聞く時、問題を解く時、文章を読む時、人に何かを話す時などに、自然と前のめりになっている。この状態を目指そう。

 もちろん好きで楽しめる物事の方が、前のめりにはなりやすいだろう。しかし「好き」「楽しい」のほかに、損得勘定や競争意識、単純な興味や怒りが前のめりの姿勢へと導いてくれることもある。

【必読ポイント!】
◆「前のめり」になる対象を明確化する
◇目標を明確化する

 集中の本来の姿は、「1つの物事しか考えられない状態」だ。だから集中するためには、集中したい対象を明確にし、それ以外のものを切り捨てなければならない。

「とりあえず頑張ってみよう!」「いろんなことに対して集中しよう!」と思っても、なかなかできるものではない。前のめりの対象を決めたら、それ以外は切り捨てよう。そうして、いらないところに労力を割かないようにすることだ。