◇納得感を得る

 長期的に無理せず集中するためには、集中するべき対象に自分の気持ちが乗っている必要がある。

 ここでもまた「納得感」が大事である。やりたくないことでも納得し、対象になんらかの価値を見出さなければならない。

 ここで参考になるのが、右脳タイプか左脳タイプかということだ。右脳タイプの人は、感覚的・感情的な面で納得できないことはやりたがらない。だから自分の脳を騙しつつ、合理性以外の面で報酬を作って脳を稼働状態にするアプローチが有効だ。具体的には、音楽や趣味の力を借りて気分を上げたり、ライバルを作って競争心を持つように努めたりするのがよいだろう。

 左脳タイプの人は、論理的に納得できないことはやりたがらない。合理的に納得するためには、目標から逆算して考えるのがよい。「これはこの目的のためには必要なことなんだ」と合理的に納得できれば、前のめりになれるはずだ。また、目の前のことに「報酬」を作るのも有効だ。お菓子を食べたり、ちょっとYouTubeの動画を見たりして、メリハリをつけることを意識する。

◇簡単なものから手をつける

「目標の明確化」と「納得」をクリアできているにもかかわらず、集中できない場合もある。そんなときは、わざと簡単なものから始めてみよう。「さあ、今日はこの難しい問題を解くぞ!」とスタートするのではなく、「ちょっと前回の復習をしようっと」「さて、まずは軽く単語の勉強から始めるかな」と、軽いものから手をつけるのだ。

 簡単なものから始めるためには、積み残しをあらかじめ用意しておくのがよい。「あとほんの少しで終わる」というタイミングで、タスクを進めるのをストップするのだ。そうすれば翌朝、その「ちょっと残した仕事・勉強」から始められる。ゼロから始めるよりもハードルが低く、勢いがつくはずだ。そしてその勢いを利用して、次の新しいものに移ればよい。