4、5、7~9位が福岡県の会社、
6位は「HOTEL AZ」を手掛ける大分県のアメイズ

 4位は昨年に引き続き、福岡県のきょくとう。クリーニング業を展開する同社は、九州だけでなく中国地方や関東などにも工場を持つ。年収は328万円で、昨年の339万円から微減となった。

 5位は福岡県に本社を置くニップングループのオーケー食品工業で、年収361万円。いなり寿司に使用する味付け油揚げや、寿し具材料を製造している。昨年は年収385万円で11位だったが、年収減により順位を上げた。

 昨年、年収364万円で5位だった大分県のアメイズは、今年は年収366万円で6位となった。九州を中心に「HOTEL AZ」(旧「亀の井ホテル」)を展開しており、「ジョイフル」をはじめ、ホテルに付帯するレストランを運営している。大分県で唯一の10位以内となった。

 7~9位は福岡県の企業で、7位アイ・ケイ・ケイ(376万円)、8位グリーンクロス(378万円)、9位テノ.HD(381万円)となった。

 10位はコインランドリー店舗を運営するWASHハウスで、年収395万円。宮崎県で唯一の10位以内となった。

 10位以内の会社の本社所在地をみると、福岡県が7社、鹿児島県・大分県・宮崎県が各1社となっている。

佐賀県最上位のミズホメディーは527万円
熊本県最上位のLibWorkは451万円

 10位以内には入らなかったが、佐賀、熊本、沖縄の企業も見ていこう。

 佐賀県は上位100位に入った会社が4社のみで、最上位が64位のミズホメディー(527万円)だった。同社は、診断薬事業や薬局向け検査薬の開発・製造・販売を展開している。

 熊本県は、上位100位に5社がランクイン。最上位は27位のLibWork(451万円)だった。インターネットやVR(バーチャルリアリティ)を活用した不動産販売を展開している。

 沖縄県は上位100位に入った会社が4社。最上位は53位のサンエーで、年収は498万円だった。同社は沖縄県内で食料品、衣料品、日用雑貨などの小売業を展開している。

 なお、長崎県は上場企業がなかった。かつては十八銀行が長崎県唯一の上場企業だったが、2019年にふくおかフィナンシャルグループとの経営統合により上場廃止となっている。

年収400万円未満は12社
サービス業は5社、小売業は2社

 年収が400万円未満だった会社は12社あり、これらの平均年収は352万円だった。

 この12社を業種別にみると、半数近くの5社がサービス業だった。その他、小売業が2社、水産・農林、食料品、卸売業、不動産、陸運が各1社となっている。サービス業5社の平均年収は369万円で、12社の平均年収352万円を上回っている。これは、小売業2社の平均年収(282万円)が全体の平均を押し下げているためだ。

 この12社を平均年齢でみると、さらに興味深いことがわかる。12社全体の平均年齢は39.5歳だが、小売業2社の平均年齢は46.8歳で、12社の中では突出して高い。つまり、小売業の2社は「従業員の年齢は高いが年収は低い」ということになる。実際、この2社いずれもが昨年より年収を下げている。一方、サービス業5社の平均年齢は37.5歳で、12社全体の平均よりわずかに低い。

 年収400万円未満の会社を県別にみると、福岡県が最多の9社で、鹿児島県、大分県、宮崎県が各1社だった。福岡県が圧倒的に多いのは、上場企業数自体が他県より多いことによるものと思われる。

(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)