すべてに隙がない
純粋に“走り”を語りたくなる1台

 スポーティな350はさすがの完成度。専用のボディ補強に加えて、GRヤリス譲りの4WDシステムを搭載する。フットワークは450h+のドシッとした接地感と350h(FF)の軽快なキビキビ感、そして4WDの積極的な駆動力制御が見事に融合。走りは“クルマの無駄な動きは抑えるが、足はシッカリ動かす”というポリシーが貫かれた。ワインディングではSUVに乗っていることを忘れるほどだった。“スッキリした操舵フィールを手に入れた視線の高いIS”と表現したくなる。

 ユニークなのは4WDの制御。コーナー進入時は“4WDを感じさせない”素直なノーズの動き、コーナー脱出時は“4WDならでは”の後輪の蹴り出しが実感できる。これこそレクサスの“スッキリと奥深く”を実現した4WDだ。

 250は、350h以上に軽快なハンドリングが味わえる。快適性とのバランスは優秀。基本性能の底上げを最も実感できる。

 新型NXは室内の作り込みや、きめ細かな“おもてなし装備”も印象的。すべてに隙がない。中でも動的性能の進化は目を見張るものがある。純粋に“走り”を語りたくなる1台だ。

(CAR and DRIVER編集部 報告/山本シンヤ 写真/山上博也)

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