本人が家計改善をする意思を持たないことには解決しない

 結局はご本人たちが家計改善をする意思もなく、貯金を少しでも増やし、安泰な老後生活を送りたいという気持ちもないため、この相談での前進はありませんでした。

 しかし遅かれ早かれ、暮らし方について真剣に考えねば生きられない状況となると思います。4年後に企業年金が受け取れなくなったら、このままでは間違いなく立ちいかなくなるでしょう。一日でも早く、ご本人たちの考えと行動を改めてもらえれば、お金の延命も図れるのですが……やがて来る破綻が見えているだけに、理解されず、行動を改める方向に導けなかったことが悔やまれます。

「老後はなんとかなる」と考えていて、本当になんとかなる方は、少数です。今は、年金受給額が減る、所得代替率が下がるなどと言われています。定年前に大ざっぱにでも老後の計画を立て、生活資金を確保しておくことが必要なのではないかと思います。