決算報冬:航空Photo:PIXTA

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はANAホールディングス、日本航空の「航空」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

ANA、JALともに
前年同期比で約3割の増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の航空業界2社。対象期間は21年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ANAホールディングス
 増収率:30.2%(四半期の売上高3069億円)
・日本航空
 増収率:28.5%(四半期の売上収益2078億円)

※ANAホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 いずれも前年同期比で約3割の増収となった航空業界の2社。ANAホールディングスは、22年3月期第3四半期には8四半期ぶりの営業黒字となった。

 しかし、航空業界を取り巻く環境は依然として厳しい。コロナ前の売り上げ水準に対して直近の業績はどのような状況にあるのか。各社の増収率の時系列推移を踏まえて、詳しく解説する。