若さをあてにした過重労働は
長い目で見ると個人にとってマイナス
さて、冒頭のアクセンチュアに話を戻しますと、実は業界内で耳にする話としてはライフワークバランスの実現は、かなりうまくいっている方だとされています。
会社全体で働き方改革のプロジェクトを進めていて、残業時間の上限は以前の79.5時間から2017年に45時間に変更されました。さらに、これまでの組織風土を改めて、全社員の意識改革を行う取り組みを進めています。
業界全体の中では働き方改革が進んでいたはずのアクセンチュアでも、冒頭のような事案が発生したというのが今回の報道です。背景としては3番目の問題について組織全体としてかなり取り組んできたものの、プロジェクト単位ではその域に達していなかったということが表面化したものでしょう。
2番目の理由のように、社員が働きたくて働きたくて仕方なかったから140時間働いていた話ではないと思われます。
業界のトップ企業が今回のように摘発されたことは、コンサル業界の未来にとってはプラスに働くと思います。この年齢になって分かるのですが、やはり若さをあてにした過重労働は人生トータルではいいものではありません。
もし、この記事を読んでいる業界人の中で2番目の理由で働き過ぎている人がいらっしゃったら、業界の先輩としては少し立ち止まって自分や自分の家族をいたわる時間を作った方がいいとアドバイスしたいと思います。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)