「好きなアナランキング」で5位入り、ゴゴスマ石井とは?

 そんな中、ぐんぐん株を上げたのが「ゴゴスマ」(TBS系)MCの石井亮次だ。コロナイヤーの2019年、「週刊文春」の「好きなアナウンサーランキング」特集で、当時地方局(名古屋CBCテレビ)アナでありながら、有名フリーアナや在京キー局の男性アナたちに混じって堂々の5位に入り、大きな注目を浴びた。

 ちなみに、ランキング詳細を見ると、1位から4位はTBS 安住紳一郎、フリーアナウンサー 羽鳥慎一、日テレ(当時)桝太一、NHK 武田真一アナなど、実力派がズラリ。こんな錚々たる面々が連なるランキングで、地方局アナ(当時)ながらスコーンとトップ5位に入ったゴゴスマ石井は、だからすごかったのだ。そもそも東海ローカルで始まったのが全国展開するという、超異例の人気番組。午後1時55分から、明確に主婦と高齢者を相手とするワイドショーで獲得した純粋な好感度の高さは、「好かれる」以上に「嫌われない」、優れたバランス感覚のたまものだ。

 その石井亮次が2020年3月にCBCを退社し、フリーとなって、あちこちのバラエティーに出ている。元局アナというよりは、長年知っている近所のよくモテてたお兄ちゃんを「頑張ってんなぁ」「やっぱり上手やなぁ」と応援しているような感じになるのは、「おもろい奴がクラスで一番モテる」「オチのない話をしたら親にすらシバかれる」大阪人の話術ゆえである。

『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方 誰からも好かれる会話のコツ』(石井亮次・著/ダイヤモンド社)で、嫌われないトークの職人である「ゴゴスマ石井」はその会話術を分かりやすく披露する。その極意は、一般人でももはや生きているだけで批判されかねない、この恐ろしい国民総批評家時代、SNSの24時間採点社会を生き抜くヒントになるだろう。