SDGs企業認証制度と
ランドセルリサイクル活動とは

――注目度の高い「SDGs企業認証制度(※2)」について、詳しく聞かせください。

 県民意識調査によりSDGs認知度は80%近くまで上がっているものの、パートナー登録企業の中にも「何をしたらいいのか」「何から始めたらいいのか」と悩んでおられる企業もまだまだ多いのが実感です。SDGsの取り組みをしている企業にSDGs経営の実践モデルとして参加していただく取り組みを、2022年4月から本格スタートします。

 企業にとって、認証されることで企業自体の価値を引き上げることができ、外部から優秀な人材や資金が集まります。それによって、企業が成長する。そして、地域の課題や環境問題を解決することで地域活性化につながり、好循環が生まれることを期待しています。

 2021年11月から試行的に行っており、41社の応募がありました。たとえば、試行期間において認証候補企業に「環境に対する取り組みが弱い」などの課題が見つかった場合、専門家による相談・指導などの伴走支援を行い、企業の取り組みのブラッシュアップを図り、本格運用に向けた準備を進めています。

(※2)鳥取県では、持続可能な社会・経済・環境の実現に向けた経営に取り組む事業者を対象に、取り組みのさらなる深化や企業の持続的成長、価値向上を応援するため、SDGs経営の取り組みを県独自で認証する制度を導入している。

――ランドセルのリサイクル活動が話題となっています。どのような取り組みでしょうか。

 現在パートナー制度に登録されている「流通株式会社」において、取り組みが始まりました。流通株式会社は、運送・物流などの事業展開をしている企業ですが、同社の整理収納アドバイザーが、日常の活動の中で、まだ使用できるランドセルが放置されているのを目にしたのがきっかけです。

 そこで発足したのが「ランドセル for ALL プロジェクト」です。県内に回収ボックスを設置し、募集をかけました。すると、約2カ月で170個以上ものランドセルが集まりました。

 不要になったランドセルは、日本で暮らす外国籍の方や、経済的余裕がない方たちへ届けられています。ランドセルを譲渡した家族や団体からはお礼の手紙が届き、感謝とともに思いやりの輪が広がる相乗効果につながっています。