トヨタは増益、スバルは減益予想…軒並み四半期減収の自動車業界で分かれた「明暗」Photo:PIXTA

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はトヨタ自動車、ホンダなどの「自動車」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

自動車5社はいずれも前年同期比減収
SUBARUは2割超の減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車業界5社。対象期間は21年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・トヨタ自動車
 増収率:マイナス4.5%(四半期の営業収益7兆7857億円)
・ホンダ
 増収率:マイナス2.2%(四半期の売上収益3兆6888億円)
・日産自動車
 増収率:マイナス0.8%(四半期の売上高2兆2070億円)
・スズキ
 増収率:マイナス0.5%(四半期の売上高9007億円)
・SUBARU
 増収率:マイナス22.3%(四半期の売上収益6659億円)

※日産自動車、スズキは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 自動車5社はいずれも前年同期比で減収となった。半導体をはじめとする部品の供給不足や新型コロナウイルスの感染拡大により、生産計画の見直しを余儀なくされるなど自動車メーカーにとっては厳しい状況が続いている。

 中でもSUBARUは前年同期比で2割超の減収と、売り上げが大きく落ち込んだ。

 次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに、業界最大手のトヨタ自動車と減収率が最も深刻だったSUBARUの状況について詳しく解説する。