むしろ留学生だから仲間に入れてくれた

 その反対に「留学生だったから仲間に入れた」という声もある。上海出身のY君は、自分の学部時代を次のように振り返っている。

「私が学部生として留学していたとき、仲間に入れてもらえず4年間孤立していた日本人のクラスメートがいました。試験前に過去問がもらえない、わからないことがあっても教えてもらえない、実験するときはペアを組めない、食事するときはいつも一人ぼっち、同級生にLINEを送っても無視されるなど、とても気の毒でした。一方、私は留学生という珍しい存在だったので、いろいろな人に声をかけられ、ありがたいことにたくさんの日本人の友達に恵まれました」

 確かにY君は持ち前の明るくやさしい性格と、高い日本語能力で壁を突き崩したといえるだろう。そのY君は、「実は、日本人の学生も外国人留学生に興味津々なんです」と打ち明ける。

 もしも互いに“興味津々”だとしたら、日本人学生と外国人留学生の間にある壁は、想像するほど“分厚くはないという可能性もある。一言二言言葉を交わせば、好きなアニメやゲームが同じだったり、推しのアイドルが同じだったりと意外な発見もあるだろう。

 留学生は日本語のブラッシュアップに精を出し、日本人学生は“不完全な日本語”を許容できれば、今年の大学生活は去年とは一味違うものになるかもしれない。