絶滅危惧種「ドムドムハンバーガー」を黒字化、39歳で初就職した社長の経営術LINEでの社員とのコミュニケーション

 巡回しているときに全てのスタッフが出勤している訳ではないので 会えなかったスタッフとのコンタクトも取りたくて、手紙を書きました。手紙の端っこには携帯の番号とLINEのIDも添えて壁に貼って帰っていました。あまり連絡が来ることはないですが、スタッフが安心して働いていただけるかなって思ったのです。

――そういった気遣いは、店長には言えないような悩みを抱えたときの心の支えになると感じました。

藤崎 そうだといいですよね。2月にテレビ収録で大阪に行く機会があったので、その前後に店舗巡回の予定を組んでいたのですが、まん延防止が出てしまい行けなくなってしまったんです。

 新幹線で大阪に向かっているときに、前に悩み事を相談してくれたアルバイトスタッフからLINEが来ました。「店舗に来てくださるって聞いていたのに、急きょ中止になって残念です。社長に相談した後、○○さんが良くしてくれています。これからもお客様の笑顔のために頑張ります。また来てください」と書かれていました。思わず涙が出ました。そして、頑張らなきゃって思いましたね。

SNSで大反響!イベント出店で
新たな客層にアプローチ

――入社してわずか9カ月で社長に任命され、2021年3月期決算ではコロナ禍にもかかわらず黒字化を達成しました。その要因は何でしょうか?

藤崎 黒字化できた要因はいくつもあるのですが、「お店が筋肉質に変化した」ことも大きかったです。人件費や原価率をコントロールし、余分なぜい肉をそぎ落とさなくてはならない状況でした。「適正な人数で営業できているか」「仕入数の確認はきちんとできているか」「規定以上の食材ロスはないか」など、飲食業として当たり前のことが不十分だったのです。

 また、イベント参加や他業種とのコラボ、ユニークと思われるハンバーガーの開発販売が消費者の皆様の心に刺さり、SNSやネットメディアでどんどん情報を拡散していただきました。奇をてらった訳ではなく、独自性を模索する中で結果的にそうなりましたね。