●「対話」はシナジー創出を促す
今回、対話は、シナジー創出の面からも有効に機能するということがわかりました。図表5より、自分たちの強みや成果について語る度合いが高い組織ほど、シナジーの創出度合いも高いという結果が出ています。強みや経験を言語化することは、自分たちが持っている経営資源を再確認することにつながり、シナジーを創出する際にも生かされます。
あるM&A担当者は、過去(前職)のM&Aを振り返りながら「昔M&Aに関わった際は、遠慮してお互いを立て合ってしまい、シナジーが出せませんでした。1+1=1.7くらいにしかならなかったのです。遠慮せずに意思を示し、腹を割って話をする必要性を感じました」と、お互いに一歩踏み出し、勇気を持って言葉を交わし合うことの重要性について話してくれました。
次回は、どのようにして組織内における「対話の機会」をつくっていけばいいのかをご説明します。
《連載バックナンバーはこちら!》
第1回 M&Aを失敗させる『人と組織』の問題とは?
第2回 M&Aはなぜ社員に葛藤をもたらすのか?
第3回 M&A後の組織・職場づくりの視点とは?
第4回 M&Aの目的とビジョンを統合前に改めて明確にする理由とは?
第5回 M&Aの目的とビジョンを社員にどのように伝えるか?
●本連載の第7回は4月19日(火)公開予定です。