小田急電鉄が保有するホテル「ハイアット リージェンシー 東京」のチャペルは今、閉鎖されている。結婚式・披露宴の営業をひそかに終了していたのだ。理由はコロナ禍ではない。やめる決断を下したのは、それよりも前だった。特集『リモート沸騰 エンタメ・冠婚葬祭・ビジネス』(全7回)の#3では、ウエディング市場の構造変化に迫る。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
日本初のハイアットホテル
ウエディングからひそかに撤退
東京・新宿にあるホテル「ハイアット リージェンシー 東京」は、日本初のハイアットホテルである「ホテルセンチュリー・ハイアット」として1980年に開業した。国際色のある外資系ブランドの看板を掲げ、数多くのカップルがここで結婚式・披露宴を挙げた。
しかし現在、ホテルのチャペルは閉鎖されている。結婚式・披露宴事業からひっそりと撤退していたのである。
新型コロナウイルスの感染拡大でウエディング市場は2年間で1兆5000億円が蒸発した。ホテルを保有する小田急電鉄はグループの事業見直しとリストラを行っている。
しかし、ハイアット リージェンシー 東京がウエディングサービスを終了したのには「コロナ禍ではない」事情があった。