スポーツ心理学のプロが明かす、必ず勝てる「パワーパターン」の見つけ方スポーツ心理学のプロが明かす、必ず勝てる「パワーパターン」の見つけ方とは

運動と脳やメンタルとの関係を解き明かし、発達段階の子どもから働き盛りの大人まで、より良い人生を送るための運動の効用について紹介する本企画。今回は、7年間の商社生活を経て、デンバー大学大学院でスポーツ心理学を学び、現在、プロアスリートやビジネスリーダーに対して最先端のメンタルトレーニングを提供する、伴 元裕氏(NPO法人Compassion代表理事)にインタビュー。伴氏が研究する“実力発揮のための心の科学”について、その仕組みを聞いた。(取材・文・撮影/編集者・メディアプロデューサー 上沼祐樹)

スポーツ選手が実力を発揮する上で
頼りになるのは「自分の強み」

 伴氏がアメリカで学んできたスポーツ心理学は、実力発揮の心の科学だという。個人またはチームとして、「どう実力を高めていくか」「どう実力を発揮するか」を心の面から科学的に解明していくものだ。特にプレッシャー環境下での実力発揮に多くの人が苦労している、と伴氏は言う。

「オリンピックをはじめ大きな舞台は非日常の空間。経験したことのないようなプレッシャーの中で、これまで培ってきた実力をそのまま発揮することは非常に難しいものです。どんなプロ選手でもそれは同じ。ですので、緊張感ある中でも、自分のタスクの遂行に完全集中できる力と環境を作るのが僕の役割です」

 ここで伴氏が用いている手法は「ストレングスベース」というアプローチ。非日常の空間で緊張感を伴う中、頼りになるのは“自分の強み”。得意なプレーや特徴を活かしたプレーがこれに当てはまるのだが、“自分の強み”を明確に理解するまで追求し、また、いかなる状況でもこれを発揮できるイメージを作り上げるという。