◆自信が持てない
◇比べないこと

 私たちは誰かと比べ、「悩みのなさそうな人が勝ちで、悩みすぎて何事もうまくいかない自分は負け」と考えがちだ。「出世のスピードを抜かれた」などと意識し、「自分は負けた」と認識することで、自信を失い、ふさぎ込む。

 失敗したり、誰かに負けたと感じたりすると、その次に「誰にも必要とされていない」とさえ考えてしまう。しかし絶対そんなことはない。

 たとえそう考えてしまっても、そうした苦しみを抱えた人や克服した人だからこそ、同じ境遇にある人に響く言葉を届けられる。

 人の悩みは他人に聞いてもらうだけで軽くなる。聞くだけで救われる人がたくさんいる。

◇「D言葉」、「べき」をやめよう

 手軽に始められる自己肯定感アップの方法として「D言葉」、ダ行を使わないようにする方法がある。ダ行の言葉は「だって」、「だけど」、「だったら」、「でも」、「どうせ」、「どうして」、「どのみち」など、ネガティブなワードが多い。ダ行で話を始めてしまうと、その文章は自分を否定する形になりやすい。ダ行を使わぬよう心がけると、次第にポジティブな言動が増えていくはずだ。

「べき」という言動もやめよう。「会議では活発に意見を出すべき」といった「べき思考」にとらわれると、硬直化して柔軟性を欠き、行動の制限がかかる。「~すべき」という義務の考えを、「~したいなぁ」という願望に置き換えることが有効だ。願望は叶わないことも多い。できなかった場合の心のゆとりを、あらかじめ自分に与えよう。

 自信を持つには「成功体験」が必要となる。小さなことでよい。成功を積み重ねるための実践ポイントは、(1)目標は自分で決める、(2)今の自分ができるであろう目標を決める、(3)その目標を誰かに伝える、この3つだ。

 根拠がなくても、徐々に理想の姿に自分を寄せていこう。これは「失敗すると思って行動すると、失敗しやすい」、「成功すると思って行動すると成功しやすい」という心理学の「自己成就予言」の応用に当たる。