「バーチャルファースト」な
世界がやってくる

入山 僕の息子はめちゃくちゃゲーム好きなんですが、友だちと会う場所がゲーム上なんですね。小学校時代の友達との同窓会もゲーム上(笑)。

尾原 それが、彼らにとっての日常になってきますよ。

入山 普通なんですよね。あの感覚。

國光 今回のメタバースとWeb3ブームの最終的なゴールって、バーチャルファーストだと僕は思っています。

 いよいよバーチャルの世界が中心になってくる。今までのインターネットは、「リアルが主、バーチャルが従」で、リアルをより便利にとか、リアルをより効率的に、というものだった。これが逆転して、バーチャル世界が主になってきます。

入山 それを実現するために重要なのがメタバースでの実在感、リアルとバーチャルが関係なく人間関係を築ける状況なんですね。

國光 あとは、バーチャル空間上にNFTやFTで、リアルと変わらない経済圏を作ることが肝だと思うんです。

 20〜30年先にはバーチャルのGDPがリアルを超えることは間違いないと確信しています。世の中がどんなに変わっても変わらないものに、時間があります。時間は有限で、1日24時間は誰にとっても変わるものではありません。

 その中で、すべての産業はこの24時間を「奪い合って」います。テレビやオンラインショッピング、本、新聞、音楽、友だちと会うこと、これらすべてが可処分時間を奪い合っています。

入山 この可処分時間をどこに使うのか?ということがバーチャルファーストで変化していくんですね。

尾原 入山さんのお子さんもそうですし、若い世代ってリアルで友だちと会っている時間よりもTikTokやTwitter、ゲームなんかのバーチャル上で友だちと過ごしている時間のほうが長い。

國光 そうなると、人に会わないリアルな世界よりもバーチャル上の自分のアイデンティティーにより多くのお金を落としていくことは自明です。

 ここから5年後、10年後にはより多くの時間をバーチャル上で使うようになり、より多くのお金をバーチャル上で使うようになってくる。特に若い世代ではバーチャルの経済圏のほうがリアルより大きくなるということは、ほぼ間違いないと思います。