(4)冗談をいえ、友人たれ

 上司も一人の人間。人として慕われればうれしいに違いありません。上司からすれば、友情を感じているあなたに対しては、単なる歯車の一つとばかりに理不尽な業務指示や配慮を欠く行動をできないはずなのです。あなたとしても、よほどのことがない限り、その上司と冗談が言えるくらいの人間関係を構築して友人となることを目指してください。

(5)イエスマンではいけない

 とはいえ、上司のペースに合わせて仕事をするのは嫌だ、自分のペースで仕事をしたいと思うのも当然です。

官僚が学んだ 究極の組織内サバイバル術『官僚が学んだ究極の組織内サバイバル術』
久保田 崇 著
定価825円
(朝日新書)

 究極的にはあなた自身が出世すれば上司の存在が減り(あるいはあなたが上司の立場になり)、上司に大きな注意を払わずにある程度マイペースで仕事ができるようになりますので、出世が可能な方はそれを目指すのが、理不尽な上司対策となります。

 ただし、それまでの間であっても、イエスマンになるのではなく、上司のタイプや都合に応じて意見や提案をすることも大事です。上司と衝突を避けながら意見を通し、実現していく。それこそが本書で目指す「しなやかな」BOSSマネジメントです。

(6)BOSSマネジメントが仕事の基本

 ここまで見てきたように、あなたの生殺与奪を握っているのが直属の上司である以上、上司を見極め、そのタイプに対応したり良好な人間関係を構築することがサバイバルするコツとなります。BOSSである上司のタイプや都合に左右されてしまう人生ではなく、逆に上司をあなたがうまくコントロールするくらいの気持ちでBOSSマネジメントに取り組んでみてください。

●久保田崇(くぼた・たかし)
 静岡県掛川市長。1976年静岡県生まれ。京都大学総合人間学部卒業後、2001年内閣府入り。ニート対策を内容とする「子ども・若者育成支援推進法」の制定などに携わる。東日本大震災後のボランティア活動を契機として、11年より岩手県陸前高田市副市長を務める。16年立命館大学公務研究科教授、19年より掛川市副市長に就任、21年より現職。