宇宙その経済規模は2040年に100兆円を超えるという予測もある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

大自然の中で星を観察すると、「地球の人間社会にばかり焦点を当てていては視野が狭くなるのでは」と感じることが多い。本稿では宇宙に目を向け、視野を広げて思考を柔軟にするヒントをつかむとともに、宇宙ビジネスの意義について考える。(著述家 山中俊之)

拡大し続ける宇宙ビジネス
経済規模は40兆円から100兆円に!?

「鳥取県は『星取県』(ほしとりけん)になりました」――。こう聞くと、面食らう人が多いだろう。人口が少なく、街の明かりも少ないのを逆手に取り、星空の観察に適していることをピーアールする同県のキャッチコピーである。実際、県内どの市町村からも、「天の川」がよく見える。

 鳥取市さじアストロパーク(佐治天文台)は、これまで22個もの小惑星を発見したという。しかも、その小惑星に、「大砂丘」「伯耆大山」(ほうきだいせん)といったご当地ネームを付けたというから面白い。そして鳥取県は、「星取県」であることを生かして、宇宙産業の育成にも取り組んでいる。

 最近は暗い気持ちになるニュースが多い中、宇宙ビジネスの未来は明るい。その経済規模は40兆円と言われ、2040年には100兆円を超えるほど拡大成長するという予測もある。

 宇宙ビジネスと聞くと、宇宙旅行を思い浮かべる人が多いかもしれない。ゾゾタウン創業者の前澤友作氏が、大枚をはたいて宇宙旅行を経験したニュースは記憶に新しい。確かに、今後増えるであろう宇宙旅行は、宇宙ビジネスの一つの柱になることは間違いない。

 しかし、宇宙ビジネスは決してそれにとどまらない。例えば、具体的には下記のようなビジネスが挙げられる。

・宇宙をベースにしたインターネット通信
・地球や宇宙の気候や地質に関するさまざまな指標のビッグデータ収集とその解析
・惑星や宇宙空間での居住

 このように宇宙ビジネスは事業が幅広く、また、裾野が広いことも魅力だ。ビッグデータ収集・分析は、多くのビジネスや社会生活の発展に関連するし、ロケットや探査機、それらの周辺機器や部品などの製造業もビッグビジネスだ。

 一風変わったところでは、宇宙に捨てられた「スペースデブリ」(宇宙ゴミ)の回収サービスもある。これを手掛ける日本発のスタートアップ、アストロスケールは世界的に注目される企業だ。

 筆者は企業幹部向け研修を数多く手がけているのだが、この2~3年は新規事業の議論をする際、宇宙ビジネスに言及するビジネスパーソンがとても増えている。従来とは、一味も二味も違うビジネスの視点が得られることも一因であろう。

 ところで、宇宙では自由にビジネスを展開していいのだろうか。各国政府は自由に宇宙空間を使っていいのだろうか。まずは、宇宙ビジネスの基本からおさらいしていこう。