熾烈なるエネルギー大戦#2Photo:Martin Barraud/gettyimages

2030年までに原子力発電所約10基分もの洋上風力発電プロジェクトの立ち上げを目指す日本市場に、外資系企業が食指を動かしている。日本に拠点を構える主要な外資系の中枢にいる人材を探ると、実は三菱商事出身者が多いことが判明した。特集『熾烈なるエネルギー大戦』(全7回)の#2では、三菱商事出身者が外資系プレーヤーに集う裏事情に迫った。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

外資系新社長はまたも三菱商事出身者
「日本の洋上風力は商事との戦い」

 三菱商事が、2021年12月に政府の洋上風力発電プロジェクト第1弾で圧勝してから数カ月後のことだ。ドイツの大手再生可能エネルギー会社、wpdの日本法人であるwpdジャパンの代表がひっそりと交代していた。

 新しく代表に就任したのは、竹田洵氏。三菱商事に約14年間在籍し、電力セクターなどを歴任した人物だ。政府の洋上風力発電プロジェクト第2弾に参戦する企業のある幹部は、ため息を漏らした。「ここも“ヤメ商事”か……。日本の洋上風力は、まるで商事と戦っているようなものだな」。

 なぜ、三菱商事出身者が日本に拠点を置く洋上風力「外資系」に集うのか。

 次ページからは、洋上風力「外資系」に所属する主な元三菱商事のメンバーの実名リストを紹介し、洋上風力発電分野を巡る人材の裏事情を解き明かす。