熾烈なるエネルギー大戦#4Photo:Felix Cesare/gettyimages

脱炭素社会に移行するための「トランジションエネルギー」として注目が集まるLNG(液化天然ガス)。ウクライナ危機以降、世界で激しいLNG争奪戦が繰り広げられている。そんな中で、これまで世界のLNG市場をけん引してきた三菱商事と三井物産は、新規の上流投資に二の足を踏んでいる。特集『熾烈なるエネルギー大戦』(全7回)の#4では、三菱商事と三井物産がLNGの新規投資をためらう理由に迫る。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

世界のLNGビジネスをけん引した
三菱商事と三井物産が二の足

 世界に先駆けて日本が1969年に導入したLNG(液化天然ガス)は、1次エネルギーの2割、発電電力量の4割を占める日本には欠かせない重要なエネルギーだ。

 そのLNGは今、世界規模の「大争奪戦」となっている。とりわけウクライナ危機以降、「脱ロシア化」を進める欧州各国も大争奪戦に加わり、激しさを増している。

 これに対し、世界第2位のLNG輸入国である日本は、動きが鈍い。とりわけ、これまで世界のLNGビジネスをリードしてきた三菱商事と三井物産は、新規投資に二の足を踏んでいる。

 経済産業省によれば、このまま日本企業がLNG上流開発に投資しなければ、2025年までの間と30年以降は、LNG需給が逼迫してエネルギー価格の高騰を招く可能性もある。ロシアからのLNG供給が途絶する最悪シナリオでは、停電危機すら迎えるという。

 なぜ、三菱商事と三井物産はLNGの新規投資をためらっているのだろうか。

 次ページからは、三菱商事と三井物産がLNGの新規投資に二の足を踏む裏事情を詳らかにする。新規投資をためらう三菱商事と三井物産の隙を突いて、プレゼンスを高める“ライバル”の正体もお伝えする。