業界や専門性を超えた構想力が求められる時代

 いまでは事業環境も大きく変わり、自動車業界や金融業界といった「業界」の垣根もどんどんなくなりつつあります。このような状況においては、業界を超えてゼロベースで構想できない限り、大きな価値を生み出せません。人工知能が進化した結果、会計士や弁護士といった士業の専門性も低下しつつあります。

 例えば、私が現在、東南アジアで取り組んでいるプロジェクトでは、自動車会社とともに現地政府やエネルギー会社、スタートアップなどとも連携して仕事を進めています。一昔前であれば異業種交流などと言われていたかもしれませんが、このような取り組みはいたって普通のことになっています。これまでのように、「その仕事はうちの部門(会社)の仕事ではない」という言い訳は通用しません。

 また、多くのプロジェクトの実行では、財務的な視点やITシステムの観点なども求められるようになっています。もちろん、最終的には専門家の意見を聞くこともありますが、それらについても一定の土地勘がないと、ビジネスパーソンとして価値を発揮できないことになります。