大学2022_劇変の序列・入試・就職#23

東京理科大学は2023年度に理工学部を創域理工学部へと再編し、先進工学部を5学科体制にする。2学部の再編の目的は何なのか。特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)#23では、今年1月に学長に就任した石川正俊氏に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山出暁子)

科学技術予算を文系人材が決めている
理系人材不足の日本

石川正俊学長いしかわ・まさとし/1977年東京大学工学部卒業。88年工学博士。79年通商産業省工業技術院製品科学研究所研究員、89年東京大学工学部助教授、99年同大学院教授。2022年1月から現職。

――2023年の学部再編の目的は。

 そもそも日本の理系人材不足への危機感があります。まず、日本はOECD諸国の中でも断トツで理系人材の比率が低い。社会全体で理系が足りていないのです。

 中国では、内閣の大部分が理系出身者。また、米国政府の科学技術予算に携わる者の多くが理系の博士号を持っています。

 日本を見るとどうでしょう。科学技術予算を決めている人はほぼ文系出身です。内閣を見ても理系は少数。この現状を打破しなければ、日本は世界で戦えない。その人材輩出を東京理科大学が担う、と。

――具体的にどんなことを進めていますか。