少子化とコロナ禍によって、大学間の二極化がより鮮明になっている。キャンパスの刷新、入試改革、新学部創設といった改革に着手している大学と、過去の栄光にしがみつくだけの大学の差は、埋まりそうにない。特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)の#16では首都圏の大学の最新動向をレポートする。(ダイヤモンド編集部 山出暁子)
中央大の志願者激減
その理由は?
18歳人口の減少、私立大学定員基準の厳格化、そして新型コロナウイルスの感染拡大による地方の大学志願者の地元志向が追い打ちをかけ、逆風続きだった首都圏の大学。
直近の2022年入試では、その一つがようやく“雪解け”を迎えた。「ポストコロナ」を見据えて、一部志願者の間での“都心回帰”の動きが見られたのだ。
中でも、私立大では、千葉工業大学の前年比28%増を筆頭に、青山学院大学が同19%増、法政大学も同19%増、東洋大学が同9%増など、前年の大幅減の反動から志願者数が増加した大学が多く見られた。特に、明治大学と法政大は、志願者数が再び10万人を突破した(数字は河合塾のデータ)。
一方、志願者数の大幅減で注目されたのがMARCH(明治大、青山学院大、立教大学、中央大学、法政大)のうち、“負け組”とも近年ささやかれていた中央大学だ。志願者数は前年比で83%と激減した。だが、次ページでその理由を明かすが、これを単にこれまでの落ち目がより鮮明になったと考えるのは早計だ。
そして、首都圏の名門私立大である早稲田大学は近年、「早慶の序列は、早稲田大よりも慶應義塾大学の方が上」という評価が各指標から指摘されてきた。実際、大学全体で見れば22年入試でも慶應大に軍配が上がる。
しかし、実は、看板学部の詳細なデータを比較すると、早稲田大がここにきて、急激に巻き返しているのだ。また、別の事情で、立教大と東京理科大学にも序列を激変化させそうな胎動が見られる。来る23年入試はどうなるのか?受験生やその親、OB・OGは必読の内容だ。