大学2022_劇変の序列・入試・就職#17Photo:PIXTA

大学受験生の勉強法が激変している。AIなど最新技術を導入した「学習アプリ」が続々と登場。そのインストールの有無が、高校生の学力を分ける時代なのだ。特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)の#17では、資格取得や学び直しを目指す社会人も必見のマル秘最新「学習アプリ」たちをこっそり伝授する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

コロナ禍は最優秀層の勉強法が激変
スマホは娯楽ツールから「学習の武器」へ

「受験を控える子どものスマホ使用を制限した方がいいのだろうか――」

 ある程度の年齢の子どもを持つ親なら、一度は悩んだ経験があるだろう。確かにスマホは「娯楽の宝庫」であり、大学受験に限らず勉強の“障害”になると思いがちだ。

 実際、こと日本においては、その懸念は的外れではない。OECD(経済協力開発機構)が2018年度に実施した、15歳を対象とする学習到達度に関する国際調査(PISA)の結果がそれを裏付けている。

 例えば、「(携帯電話を含むデジタル機器を使って)1人用ゲームで遊ぶ」の設問では、「ほぼ毎日」「毎日」と回答した人の割合は日本が47.7%で、なんと世界トップだ。

 一方、「携帯電話やモバイル機器を使って宿題をする」については、72.0%が「まったくか、ほとんどない」と回答しており、日本が調査参加国中で最下位だった。つまり、日本の多くの中高生にとってスマホとは、他国と異なり娯楽に特化したツールなのだ。

 ところが、だ。今、一部の聡い大学受験生の間でスマホの役割が激変している。ライバルに差をつけるための“学習の武器”へと変貌しているのだ。

 風向きを変えたのは、コロナ禍による一斉休校だ。「ユーザー数が爆増した」と学習アプリ関係者が口をそろえるこの時期、中にはユーザー数が前年比で倍増した学習アプリもあるという。学校や塾に行けなくなり、学習アプリや映像授業の需要が掘り起こされたのだ。

 そして、この傾向は、特に学力が高い中高生の間で顕著となっている。

 例えば、次ページで詳述する学習管理アプリの「高校生ユーザーの在籍高校ランキング」(21年2月時点)トップ100校には、3位の開成高校(東京)や11位の灘高校(兵庫)といった難関中高一貫校のみならず、7位の札幌東高校(北海道)、13位の日比谷高校(東京)、21位の北野高校(大阪)、47位の修猷館高校(福岡)といった各エリアの最難関公立校がずらり。「スマホは勉強のじゃま」という一般的な親世代のイメージとは裏腹に、勉強を効率化する最先端のアプリの存在を知っているか否かでライバルに差をつけられる時代に突入しているのだ。

 中には驚くのほどの分かりやすさで、数学への苦手意識を克服させてくれるアプリもある。数学は親が教えることが難しい教科だが、まるで“先生”が横にいてくれるような心強さだ。

 そこで次ページでは、受験生とその親が知っておきたい最新の学習アプリ一覧のみならず、ライバルに差をつけられる三つの厳選アプリの使い方を解説する。その大半は無料でダウンロードできる上、資格取得や学び直しにも応用できるので、学習意欲が高い社会人も必見だ。