MS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下のダイレクト系損害保険会社である、三井ダイレクト損害保険。2022年6月に資本構成を変更し、さらに同年7月には新たなブランドを立ち上げた。4月に就任した河村隆之社長に、変化が続く同社の戦略と狙いについて話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
MS&ADグループのダイレクト系損保
三井ダイレクト損保の新戦略とは
――今年6月にMS&ADインシュアランスグループホールディングスによる完全子会社化、そして7月には新ブランドの発表と、大きな変化が続いています。背景にはどのような考えがあったのでしょうか。
完全子会社化と、「強くてやさしい」というブランドコンセプトの刷新が続いたのは偶然です。
資本については、持ち株会社のMS&ADホールディングスと三井物産の双方で合意し、発表できるタイミングが6月だったということです。一方で、新しいブランドコンセプトについては、前任の社長である宮本(晃雄、現会長)が会社設立20周年を契機に、新しい風を吹かせようということで、プロジェクトを立ち上げていました。
当時、消費者に対する調査を行ったところ、「特徴がないことが特徴」といったショッキングな声が寄せられたことに加えて、残念ながら認知度が非常に低かった。それで、本気になってブランドを作り直さないといけないと思ったわけです。
20年1月に事業戦略室を新設し、4月にはマーケティングやシステムに強い人を採用するなど体制を整えていきました。この時期から新たなブランドの議論を始めましたので、2年ほどかけて準備してきたことになります。
――ダイレクト系損保といえば、保険料の安さが最大の売りです。今後、どのように特徴を出していくのでしょうか。