高度なコンサル機能と永続的なアフターフォローに資する六つの観点

保険業界は今、大きな転換期にある。顧客ニーズの複雑化や法改正、さらには金融当局が求める「顧客本位の業務運営」の実効性確保など、代理店に課せられるハードルはかつてないほど高くなっている。こうした中、代理店の大型化・集約化が進んでいるが、単に規模を追うだけで中身が伴わない「形式的な集結」に陥っているケースも少なくない。連載『ダイヤモンド保険ラボ』の本稿では、なぜ今「規模の拡大」が業務品質の高度化に必要なのか、そして2026年度から本格導入される「自己点検」を前に、代理店が構築すべきガバナンスの在り方を提言する。(元金融庁監督局特別検査官 成島康宏)

高度なコンサル機能と永続的なアフターフォロー
規模の拡大が品質の高度化に資する

1.代理店を取り巻く環境の変化と「規模」の意義

 わが国の保険市場を取り巻く環境は、顧客の生活様式の多層化やリスクの複雑化に伴い、劇的な変容を遂げている。保険代理店に課せられた役割は、単なる契約締結の代理・媒介にとどまらない。

 顧客の潜在的リスクを精緻に評価する高度なコンサルティング機能、さらには永続的なアフターフォローの提供へと拡大している。また、今回の保険業法改正を受け、保険代理店にはこれまで以上に「顧客本位の業務運営」の実効性が厳格に問われることとなった。

2.組織規模の拡大が業務品質の高度化に資する機能的側面

 一定の組織規模を保持することは、単なる規模の拡大や効率性の向上にとどまらず、業務品質の質的向上を通じて「顧客の最善の利益」の実現と「ガバナンス強化」に直結するものである。

 次ページでは、一定の組織規模を有することがなぜ、業務品質の高度化に資するのかという六つの観点を解説するのに加え、単に規模を拡大するだけでなく、質の伴った代理店として成長をしていく際に重要となるポイントについて詳述する。