SOMPOグループの損害保険ジャパンで、史上最年少の経営企画部長が誕生した。デジタルを駆使して子会社の少額短期保険会社で実績を上げ、損害保険ジャパンでも新部長としてDX(デジタルトランスフォーメーション)の鍵を握る。特集『金融DX大戦』(全22回)の#9で、社内序列にまで変化を及ぼす、損保3陣営の熱いDX競争を追った。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
損保ジャパンで最年少
経営企画部長が誕生
損害保険業界の3グループの一角、SOMPOグループの中核損保である損害保険ジャパンで2022年4月1日、史上最年少の役員が誕生した。執行役員経営企画部長の川上史人氏、47歳だ。
損保ジャパンといえば同日、白川儀一社長が51歳、37人抜きで就任し、大手金融機関ではまれに見る大胆な若返りだと話題になった。だが、若返り人事は社長だけではなかったわけだ。
経営企画部長は企画系部門の要であり、将来の社長候補が就くといわれるポスト。実際、一気に出世の階段を駆け上がった白川社長も、19年4月に執行役員経営企画部長に就任している。ちなみに、当時の白川社長は48歳。このときも若さが際立っていたが、川上氏はそれよりも1歳若い。
人事には経営の方針や考えが如実に表れる。では川上氏が執行役員経営企画部長に抜てきされたメッセージとは何か。
背景には、損保業界でここ数年熱を帯びている、DX競争がある。次ページで、競争の最前線に迫った。