金銭詐取撲滅への対策は?稲垣精二・生命保険協会長インタビュー

金銭詐取撲滅のための原理原則を
加盟各社と考えていきたい

――2020年10月以来、生命保険業界では立て続けに加盟社の金銭詐取事件が明らかになっています。金融庁も問題視しているようで、協会として、実効性のある何らかの取り組みをすべきではないかという認識です。どうお考えでしょうか。

 自社も含めて、金銭詐取事件が明らかなったことによって、ご心配になられているお客さまや社会の皆さまがいらっしゃると認識しておりまして、協会として対策を考え、取り組んでいきたいと考えています。どのような形がいいのかというのは今悩んでいますが、年内に何らかのアウトプットを出していきたいですし、そのような決意で臨みたいと思っています。

 営業職員チャネルの各社の好事例は積み上がってきていますので、さらに不祥事を撲滅するための原理原則に関して、加盟各社としっかりと心を合わせていきたいと思っています。

 これは私の個人的な意見になりますが、やはり営業職員チャネルは生命保険を販売する上で、最も適したチャネルだと思っています。多くの営業員は、お客さまにしっかりと寄り添っています。ただし、営業員全員ではない。これはもう事実として、しっかりと受け止めなくてはいけません。

――金銭不祥事の撲滅は簡単なことではないと思いますが、どのような方策を考えてらっしゃいますか。