
外資系生命保険大手のプルデンシャル生命で、元社員による投資詐欺事件など不祥事が続いている。ダイヤモンド編集部の取材によると、保険の営業社員であるライフプランナーや上司である管理職社員が、提携関係にないりそな銀行のiDeCo商品の紹介に深く関わり、トラブルに発展していることが新たに分かった。両社のコンプライアンス部門が本格的な調査を開始する事態となっている。連載『ダイヤモンド保険ラボ』の本稿で、詳しくレポートする。(ダイヤモンド編集部取材班)
投資ブームの裏で
銀行と保険会社の間でトラブル
景気回復による株高と公的年金制度への不安などから、初心者向けの資産形成として注目されているNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)。これらの制度は、それぞれ1つの金融機関でしか口座を開設できないため、証券会社や銀行などの金融機関がこぞって営業攻勢をかけている。
そんな中、外資系大手生命保険会社のプルデンシャル生命保険とりそな銀行の間で、iDeCoを巡って思わぬトラブルが発生していたことが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。
事の発端は、プルデンシャルのライフプランナーや管理職を務める社員が、りそな銀行のiDeCoの運用商品を顧客に紹介し、契約書への記入などの手続きを促していたことだ。
一見何ら問題がなさそうに見えるが、そうではない。プルデンシャルとりそな銀行の間には、iDeCo商品の営業や勧誘を委託するような契約は結ばれていないのだ。
にもかかわらず、なぜプルデンシャルの営業社員はりそな銀のiDeCoを顧客に薦めていたのか。今回、ある顧客とのトラブルが発生したことで、その背景にある“疑惑”が浮かび上がった。
りそな銀のコンプライアンス部門は、2025年9月から本格的に経緯について調査を開始。プルデンシャル側もしかりで、両社のコンプライアンス部門が実態を探る事態に発展している。
次ページでは、顧客を巡るトラブルの概要に加え、トラブルを引き起こしたプルデンシャルの営業所名も明らかにする。加えて、これらの問題の背景にある、プルデンシャルの構造的な課題について考察していく。







