安倍晋三 レガシーの検証#6Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

安倍晋三氏の悲劇的な死は、旧統一教会と自民党議員を中心とする政界の深いつながりを明らかにした。特集『安倍晋三 レガシーの検証』(全9回)の#6では、危機対応のトップ弁護士である郷原信郎氏が、旧統一教会の力に頼った安倍氏に欠落していたものがあると指摘している。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

旧統一教会と安倍氏ら政治家の
密接さに驚愕を禁じ得ない

――安倍晋三氏の生前から、「桜を見る会」の問題などを厳しく批判してきました。銃撃により安倍氏が死亡し、さらに旧統一教会の問題が浮上してきたことをどう見ていますか。

 旧統一教会と安倍氏を含む政治家がこれだけ密接な関係を築いていたことに、誰もが驚愕を禁じ得ないだろう。今回明らかになったのは、カルトと呼ばれるような宗教団体が実は、選挙において非常に大きな役割を果たしていたという実態だ。

 地方の政治家や議員を動かすには非常にお金がかかる。それは河井(克行、案里)夫妻の事件で広く確認された。それに対して宗教団体は、お金がかからない無償のボランティアとして活動してくれる。宗教団体を取り込めば、選挙運動である程度の人手を使うことができるのだ。