安倍晋三 レガシーの検証#1Photo by Yoko Akiyoshi

凶弾に倒れた安倍晋三元首相は、日本の憲政史上で最も長く首相を務めた。その在任期間に日本に残したものとは?特集『安倍晋三 レガシーの検証』(全9回)の#1では、失業率、財政健全性、1人当たりGDP(国内総生産)など六つの数値を基に、安倍政権の実績をファクトチェックした。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

憲政史上最長の首相が
残した実績をファクトチェック

 安倍晋三元首相が最初に首相に就任したのは2006年9月。小泉純一郎氏の後継として、戦後では最年少の52歳で首相の座に就いた。ところが翌07年の参議院議員選挙で自民党は大敗し、安倍氏は同9月に健康不良により退陣した。

 それから5年後、安倍氏は自民党総裁選挙で総裁に返り咲いた。民主党から政権を奪還し、12年12月に安倍内閣が再度発足した。この2度目の就任から20年9月の辞任まで、安倍氏の首相としての連続在任日数は2822日。大叔父の佐藤栄作氏を僅差で上回り、憲政史上最長となった。

 この記事では、12年12月~20年9月の安倍氏の在任期間を第2次安倍政権とし、この期間の日本経済の変化を示す六つの指標から「最長政権」の実績をファクトチェックした。