たとえば「調査する」と言いたいとき、小さな子には「調べる」と言ってみたり、それも通じなければ「聞いてみるね」と言い換えたりするはず。英語を話すときも同じようにすればいいのです。
英語を勉強してきた人ほど、ビッグワード(長い単語や難しい単語)を使う傾向にありますが、それは英語のレベルが同等以上の人と話すときだけにしましょう。ふだんから、できるだけ簡単な英語で話すことを心がけてみてください。
たとえば、「規則」と言いたいとき、 regulationが出てきたら、ほかの単語はないか考えてください。ruleのほうが簡単ですよね。
「参加する」はどうでしょう?participateよりも joinのほうがだれにでも伝わります。
つまり、英語のハードルは低めに設定すること。これが、多様性の時代に英会話がスムーズに進む秘訣です。
(2)「シンプルな表現」は、オールマイティ
さらに、簡単でシンプルな表現を使うことは、日本語特有の言い回しやビジネス言葉を英語にするときにも大活躍します。
たとえば、「お言葉に甘えさせていただきます」と言いたいとき。
ここで言う「お言葉」は他人からの「申し出、オファーoffer」のことですね。「甘えさせていただきます」は、この場合は、「子どもが親に甘える」という意味ではなく、「(申し出を)受ける」こと。つまり「あなたの申し出を受けます」と言いたいわけです。
さらに、「お言葉に甘えさせていただきます」に込められた意味も考えてみると、話し手には、この申し出を嬉しく思う気持ちがあります。そこで、感情にもフォーカスしてシンプルに表現すると、「あなたの申し出をありがたく思います」、つまり、Thank you for your offer.となるのです。シンプル、かつネイティブが使う自然な英語になりました。
ほかにも、「ご足労いただき恐縮です」→ Thank you for coming.や、「社に持ち帰ります」→ I’ll talk to my boss.など、ビジネスで使う言い回しは、シンプルな表現に変換できます。
「え、こんなカンタンでいいの?」と驚いた人。
ぜひ英語のドラマや映画を観て彼らの話す言葉を聞いてみてください。ネイティブの話す英語は思ったよりもシンプルであると実感できますよ。